アカデミックシアター
(学術劇場)とは
きたやまおさむ による
学問+エンターテイメント
わたしたちの「こころのありか」を求めて、旅をつづけてきた男がいる。「きたやまおさむ/ 北山修」、65歳。京都の医大生だった1967年、ザ・フォーク・クルセダース「帰ってきたヨッパライ」が270万枚の大ヒット。
バンドメンバーとして、ラジオの人気DJとして、ヒット曲連発の作詞家として、瞬く間に時代の寵児となっていった。しかし、彼は芸能界を去り、精神科医の道を歩む。
以来、40年近くの月日が流れた。
幾多の「テレビに出ませんか?」という誘いに背を向け、北山は、精神科医の道を黙々と歩き続けていた。 なぜか?…もっと大事なことがあったからだ。それは、「こころのありか」を見つけること。それによって、苦しんでいる人々を受け止め理解すること。精神分析医として、早朝から、悩む人、病む人の話に耳を傾けながら、大学の教壇に立つ毎日を繰り返した。
その、持ち前の話術を駆使した彼の講義は、バブルからデフレまでの時代の中で、疲れ切った日本と日本人の心を解き明かし、解きほぐす、素晴らしいものだった。2010年春、九州大学退職。そして、その伝説の講義は、よみがえる。北山修は、きたやまおさむとして、ふたたび、私たちの「こころのありか」に立ち向かう。彼自身が「アカデミックシアター」と命名した、映像やライティングを駆使した、21世紀の講義スタイルとともに。